34.売買スタイル

FX取引をする前に、どのような方針で売買を行うのかを決めたほうがよいです。

為替レートの動きを見る時間がある場合は、小さい利益でも良いので決済して1日のうちに何回も売買を繰り返すことができます。

日中に為替レートの動きを見る時間が少ない場合は、1日単位以上の売買となります。

目先の損益関係なく、為替レートの動きを長期で見ることができるなら、為替差益を狙いながら、低金利通貨を売って高金利通貨を買っている場合、
スワップポイントが受け取りになるので数か月から1年、長い場合は数年単位での売買をすることができます。

代表的な4つの売買方法として下記のものがあります。

短期トレードから長期トレードまでトレードする期間は様々です。

投資家の生活スタイルや資産運用スタイル合った取引方法を選ぶことが重要です。

取引方法にはメリット・デメリットがありますので、取引方法ごとに説明します。

 


スキャルピング

メリット

・精神的な負担がかなり少ない
レバレッジを適切にすることにより、利益は少ないですが損失も少ないので、
含み損を抱えるという精神的な負担を軽減することができます。

・リスクを避けられる
スキャルピングの最大のメリットは、中長期のトレードに比べ、ポジションの持越しをしないので、
時間経過による不確定要素のリスクを避けることができます。
一晩の間に為替相場が思惑の方向とは逆に大きく動いてしまい、大損になる経験は誰もが味わいたくないですが、
過去の相場の動きを見てみると何度も起こっています。

・ゲーム感覚で楽しむことができる
24時間刻々と変わる相場を相手にリアルタイムで取引を行うため、
目の前で発生している損益が増減するトレード本来の楽しさを実感することができます。

デメリット

・1トレードあたりの利益が少ない
少ない値幅でトレードを行うため、1トレードあたりの利益が少なめです。
メリットである含み損を抱えるという精神的な負担の裏面がデメリットになります。

・損切タイミングを間違えると損失が増える
1トレードあたりの利益が少ないので、損切のタイミングを間違えるとトータルで利益にすることができません。
よくあるのが、為替相場の動きに振り回され、一喜一憂してなかなか損切りができず、
結果として大きな損失になってしまうということです。

このようなことを避けるため、機械的にトレードする技術を身につける必要があります。

 

デイトレード

メリット

・損益をすぐに確定できる
為替相場がどのように動いたとしてもデイトレードであればその日のうちに損益を確定することになります。
損失を被っていたとしても対応が早ければ大きな損失を防ぐことができます。

・小さな好機をつかめる
為替相場というのは刻々と変化を続けているので、為替相場の動きを見続けていくことで、
予想できないような思いもよらない好機をつかめることもあります。
細かい売買の積み重ねが重要です。

・余計なコストがかからない
ポジションを持ったままロールオーバーを行うとスワップポイントが発生します。
高金利通貨を売って低金利通貨を買うとスワップポイントの支払いになります。
デイトレードであれば余計なコストを抑えることも可能になる。

デメリット

・売り(買戻し)急ぐ可能性がある
その日のうちに損益を確定するということは、翌日以降に訪れる大きなリターンを得る好機を失うことになる。
売り(買戻し)急ぐことで得られるリターンが小さくなってしまう。

・時間が拘束される
わずかなタイミングで利益を出すには、為替相場の動きを観察し続けることが必要になる。
トレードシステムの売買機能を利用することで少しは回避できるが、時間を拘束されてしまう。

・損失を被る可能性がある
ポジションを持ち思惑と逆に動いた場合でもタイミングを見計らって売買を行えばリターンを得ることも可能になる。
デイトレードにこだわりすぎると、負わずにすむ損失まで被ることもある。

 

スイングトレード

メリット

・タイミングをつかみやすい
1日よりも一定期間の余裕があれば、絶好のタイミングに遭遇できる好機が出てくる。
売買に必要なタイミングがつかみやすくなる。

・時間を有効に使える
デイトレードの場合は時間を拘束されてしまうが、スイングトレードならば分析する時間が長い分、時間に追われることがない。
テクニカル分析などに時間を使える。

・スワップポイントが得られる
保有するポジションにもよるが、持ち続けることでスワップポイントを得ることが可能になる。
為替相場の変動による利益のほかにスワップポイントが得られればその分リターンが大きくなる。
為替相場で損失が出ていてもスワップポイントにより利益が出ることもある。

デメリット

・損失が大きくなる可能性
ポジションを長く持っているからといって、必ずリターンが得られるわけではない。
むやみに保有ポジションを長く持つと大きな損失を被る可能性がでてくる。
スワップポイントを受け取れる通貨ならまだ良いが、スワップポイント支払いの場合は・・・。

・トレンドが変わってしまう
為替相場のトレンドは、ある日突然の突発的なニュースなどにより、一瞬にしてトレンドが変わってしまうことがある。

・スワップポイントを支払う
保有するポジションにもよるが、持ち続けることでスワップポイントを支払うことになる。
為替相場の変動により利益が出ていてもスワップポイントを支払うことにより、その分リターンが小さくなる。
為替相場で損失が出てスワップポイントも支払いで損失が大きくなることもある。

 

ポジショントレード

メリット

・日中為替レートを見る時間がなくてもよい
1日1回程度、為替レートをチェックするくらいでよいので、一日中パソコンの前に張り付かなくてもよいです。

・為替レートの小さな動きに惑わされない
低いレバレッジで、ロスカットまでの幅があるため、為替レートの小さな動きに惑わされない。

・大きな為替差益と長期間に渡りスワップを受け取ることができる
数週間から数ヶ月、場合によっては数年にわたり売買するので、
大きな為替差益と高金利通貨を買っている場合は積み上がったスワップポイント収益を得ることができます。
為替差損が出ていても積み上がったスワップポイントで損失をカバーすることができる。

デメリット

・1トレードあたりの期間が長い為、資金効率がよくない
ポジショントレードを行う場合、長い期間の間、資金が拘束されるので、
出金など資金を動かさないでいられるだけの経済的な余裕が必要です。

・1トレードあたりの損失が大きくなりやすい
低いレバレッジで、ロスカットまでの幅があるため、損失が発生した場合に1トレードあたりの損失が大きくなりやすいです。