06.アンティークコインの魅力と有望なコイン

この記事では、鹿子木さんの元でFXを勉強されている皆様に、アンティークコイン情報をお届けします。

 

なぜアンティークコインか

ここはFXが主軸のサイトなのに、アンティークコイン情報を掲載するとはどういうこと?という感じかもしれません。

FXの取引対象は円やドルといった通貨であり、通貨(コイン)の歴史は何千年もあります。というわけでFXとアンティークコインは無縁でなく、大いに関係がありますし、見たこともない昔のコインを見て「お金とは何か?」を考える良いきっかけにもなります。

そして、FXを勉強する理由は資産を増やすためですし、アンティークコインを考える際に求めるのは「買ったら儲かるの?」となるでしょう。そこで、ここでは投資としてのアンティークコインに注目して考察します。

 

アンティークコインの価格

ちなみに、アンティークコインとは、発行後概ね100年程度以上経過したもの全般を指します。下は、直近の日本コインオークション(2021年5月開催)において最高価格で落札された金貨であり、落札価格は何と4,100万円。手数料込で4,500万円を超える高額品です。

https://www.ncanet.co.jp/exhibit/57593

 

では、高額なものばかりかと言えばそうでもなく、下は同じオークションにて最安値で落札されたコインであり、落札価格は1,000円です。

https://www.ncanet.co.jp/exhibit/57801

 

金額にこれだけの差が出てしまう理由ですが、コインは紀元前から延々と発行され続けてきましたので、発行国、発行された時代、残存枚数、傷のつき具合や人気がそれぞれ異なるためです。

そして、現在価格が4,500万円と1,000円のコインを比べて、どちらの価格が上昇しやすいか?と言えば、それはもちろん4,500万円のコインでしょう。

1,000円のコインは、一般的には入手困難ですがアンティークコインの世界では比較的容易に入手できますから、ありふれたコインであって価格は上がりづらいです。その一方、世の中に1枚~数枚しか現存しないようなコインは、言ってみれば売り手が自由に価格を決められます。

その価格で買いたい人がいれば売りますし、そうでなければ売りません。そして、あまりに貴重品ですから、超お金持ちはその額を出してでも買うという構図が成り立ちます。

では、そんな高額品を買えない場合にはどうすれば良いでしょうか。ここでは例として超高額なコインを出しましたが、100万円未満のコインでも価格は上昇しますし、過去10年、20年と価格が上昇し続けたというコインもあります。

過去10年、20年といえば、2008年のリーマンショックを含んだ時期であり、株や債券などあらゆる金融資産が暴落した時期でもあります。そんなときでも、一部のアンティークコイン価格は上昇を続けました。

というわけで、そういうコインを買えば良いでしょう(ただし、過去がそうだったからと言って将来も確実にそうなるとは言えないというのは、相場の世界のお決まりです)。

 

アンティークコイン価格の見通し

「なるほど、分かった。では、今後の相場はどうなるんだ?」という疑問が出るでしょうから、それに対する回答を見ていきましょう。回答は筆者(ゆったり為替)のブログに掲載していますので、ご確認ください。

【参照】アンティークコイン相場の見通し【読者の皆様のお便り】

価格を決める要素はたくさんありますが、直近だと金融引き締めの影響が懸念されるところです。金融引き締めとはすなわち、中央銀行が世の中に出回っているお金を回収するという意味ですから、現在のカネ余り状態が解消されて価格が下落するかも?と連想できます。

 

過去の事例を調べるのが大事

しかし、不景気や金融引き締めは今回が初めてのことではなく、過去に延々と繰り返されてきた話であり、「では過去はどうだったんだ?」という確認が必要です。

FXの場合、各国の金融政策の歴史も為替レートも調べれば分かりますから、過去の確認は簡単です。

ところが、アンティークコインの場合は難しいです。主な理由は、アンティークコインはFXのように価格が1つに決まっていないからです。ある特定のコインについて、100万円~120万円くらいの価値だろう、という感じで幅があるのが通常ですし、オークションで参加者が「どうしても欲しい!」と思えば、競り合って相場価格の何倍にも跳ね上がることもあります。

これではチャートを作ることはできませんし、過去の推移を追うことも困難です。しかし、全く不可能だというわけではなく、過去の実績を丹念に調べることによって、おおよその推移を確認できます。

こうして過去の推移を見ますと、不思議と価格が下落していないコインがあることに気が付きます。この記事では、そのようなコインについて考察します。

(なお、繰り返しになり恐縮ですが、ここで紹介しているから将来の価格上昇が保証されるというわけではありません。)

 

価格上昇を期待できるコイン

では、どのようなコインだったら、価格は上昇しやすいでしょうか。あるいは、少なくとも価格は下がりづらいでしょうか。順不同で、5点について少し具体的に見ていきましょう。

 

人気の国が発行

発行国ごとに人気の上下があり、イギリスが圧倒的な人気を集めています。その理由は定かではありませんが、美しいコインを発行してきた歴史、発行主体が一つのため分かりやすいこと、大英帝国時代に支配下にあった国々の人々が買い求めていること、などを挙げられるでしょう。

そして、アンティークコインで代表的なものを1つだけ挙げなさい、というお題があったら、おそらく下のコインが1位になるのでは?と思います。イギリスでヴィクトリア女王(在位:1837年~1901年)時代に発行された、通称「ウナとライオン」です。この記事を執筆した時点で、1億円以上で取引される場合もあります。

https://www.ncanet.co.jp/exhibit/55526

よって、どの国のコインを買えば良いのか分からない…となったら、まずイギリスから考えるのが楽です。

 

材質

材質とは、金(きん)、銀、銅、青銅など、どれで作られたコインが良いか?ですが、一般的に金貨が重宝されます。極めてレアな銀貨だと金貨よりも高額になる場合がありますが、やはり美しい金貨が高額になる傾向にあります。

下は、高品質とは言い難いのに高額な銀貨の例で、イギリスのヘンリー8世が発行した銀貨です。これだけ高額な理由としては、ヘンリー8世の知名度や人気の高さ、このコインの残存数がとても少なくて貴重であること、などがあります。

https://www.darumacoins.co.jp/products/detail.php?product_id=7370

なお、この銀貨は(株)ダルマで購入可能で、価格は130万円です(この記事の執筆時点)。外見に似合わない価格から、この銀貨がいかに貴重な逸品であるかが分かります。

 

額面

金貨の額面は、5ポンド(またはそれに相当する額面)が人気で、価格も上昇しやすい傾向です。額面は一般的にソブリン(=1ポンド)、2ポンド、5ポンドの3種類ですが、大きいサイズの5ポンドは見栄えが良く、発行枚数も少ないので人気が集まります。

 

発行年代

発行年代は、18世紀~19世紀に人気が集まっていますから、迷ったらこの時代で考えると良さそうです。

なお、2000年代前後に発行された金貨でも人気を集める場合がありますが、新しい金貨は歴史が乏しく、その分だけ価格の急落への対応が必要になり高い知識量が要求されますので、初心者向けとは言い難いというのが筆者の見解です。

 

グレード

グレードとは、「発行時の状態をどれくらいとどめているか」という基準です。もちろん、発行時の状態そのままというのが最高です。しかし、上で紹介しましたヘンリー8世の銀貨を見ますと、どう見ても発行時の状態そのままとは言い難く、それでも高値がついています。

それは残存枚数が少ないからであり、そのようなコインの場合、そもそも発行時の状態のコインを探すのは無理なので、グレードが低くても高値になります。

(仮に、このコインで発行時の状態そのままの完璧なものが出てきたら、価格は1桁高くなることでしょう。)

 

業者選択が超重要

FXの場合、どのFX業者で取引しても同じ金融商品を売買できます。よく見るとスプレッドが少しずつ違いますし、為替レートもわずかに異なりますが、基本的に全く同じです。米ドル/円を買っているはずなのになぜか豪ドル/円を持っていた、なんてことは発注ミスを除けばあり得ないです。

ところが、アンティークコインの世界は、正確な情報を得ること自体が難しいためプロと一般の知識差が極端に大きく、その気になれば業者が顧客を食い物にするのは簡単です。そこで、どの業者で買うか?が大変重要です。

この問題をより確実にクリアするには、「自社でコインを鑑定できる業者で買う」のが安全です。

世の中には、アンティークコインの鑑定会社が存在し、鑑定済みのコインは下の画像のようにプラスチックケースに収められます。このケースはスラブと呼ばれ、いったん格納されたコインを取り出すには、一般的にはケースを破壊するしかありません。

https://www.darumacoins.co.jp/products/detail.php?product_id=9121

スラブ入りならコインに傷がつく心配もありませんし、鑑定済みのスラブ入りコインを買えば良いだろうという話になりますが、「鑑定結果は鑑定会社の意見に過ぎない」という点に注意が必要です。

そして、鑑定会社には大勢の鑑定士が在籍していますから、鑑定士の間に技術差があると見受けられます。何が言いたいかと言えば、(頻度は高くありませんが)実際のコインの品質と鑑定結果に差が出る場合があります。

こういった場合に備えてか、再鑑定申し込みを受け付ける鑑定会社もあります(別途費用が必要)。すなわち、鑑定結果をそのまま受け入れることにはリスクが伴います。

そこで、自社で鑑定できる会社の登場です。その会社の鑑定と鑑定会社の評価が一致していれば、その鑑定を信頼して買えますし、ズレていれば買わなければOKです。

あるいは、一般的には鑑定会社の結果を見て売買されますので、「自社で鑑定できる会社では低評価であり、よって安値で売られているが、鑑定会社の評価は高い」というコインが見つかれば最高です。簡単に転売益を得られる可能性があります(筆者は、この方法で稼いだことがあります)。

ただし、評価に大変大きな差が出ることは稀ですから、この方法で稼ごうと思って頑張っても、実際にはなかなか難しいことが多いです。

逆に、「本当は価値が高いのに、鑑定会社の評価は低い」というコインが見つかっても嬉しいです。この種のコインは一般的に安く売られますから、安値で買って、スラブを破壊して再鑑定に出して正当な評価をもらい、高値で売れます。

ただし、「本当は価値が高いのに、鑑定会社の評価は低い」を判断するには目利きが必要ですから、簡単ではありません。また、(株)ダルマでこのようなコインが出てきたら、自社の鑑定に基づいた価格(高い方の価格)がつきますから、この方法が使えるのは「自社で鑑定できない会社で売られているコイン」限定です。

なお、自社で鑑定できる会社の数は少ないです。筆者が利用しているのは(株)ダルマが中心ですが、ダルマは世界でも極めて有名なコイン業者ですから、抜群の安全度と信頼を誇ります。

 

グレードの対照表

ここで、評価のざっくりとした対照表を掲載します。鑑定会社は70段階評価で評価し、日本やイギリスなどは7段階が多いです。慣れないうちは暗号のように見えるかもしれませんが、慣れれば簡単です。分からなくなったら表を見ればOKですから、覚える必要もありません。

日本 イギリス 鑑定会社
1 完全未使用品 FDC(Fleur de Coin) MS65~70
2 未使用品 UNC(Uncirculated) MS62~64
3 準未使用品 AU(Almost Uncirculated) AU58~MS61
4 極美品 EF(Extremely Fine) XF50~AU55
5 美品 VF(Very Fine) VF35~XF45
6 並品 F(Fine) F15~VF30
7 劣品 G(Good) G4~F12

 

FXの世界とアンティークコインの世界は似ている面もある

ここで、FXとアンティークコインの世界で似ている面がありますので、それをご案内しましょう。

皆様は現在鹿子木さんのサービスを受けてFXを勉強されていますが、その前はどうだったでしょうか。様々なウェブサイトを調べて取引して資産を一向に増やせず、その結果、鹿子木さんのサービスにたどり着いたはずです(自力で資産を増やせるようになっていたら、鹿子木さんのサービスを受講することはないでしょう)。

そして、世の中に氾濫しているFX情報は、どんな性質のものが多いでしょうか。「FXは難しい。個人投資家の9割は損して、本当に稼げるのは全体の5%程度未満だ」と正直に書いているか、それとも「FXでFIREしようぜ!」という感じでバラ色の将来像を書いているか。

それを踏まえまして…アンティークコインの世界は、FXと違って正直すぎる人々だけで構成されているでしょうか。それとも、FXと似た感じでしょうか。

脅かすようなことを書いてしまいましたが、皆様はこのようなFXの世界で生き残っています。だったら、アンティークコインの世界で生きるのはさほど難しくないですし、むしろ楽しいでしょうから、気楽に楽しみましょう。最も重要なのは、どこから情報を仕入れるか?です。

 

お願い:

(株)ダルマでコインを購入すると、「どこから情報を得ましたか?」という趣旨の質問を受けるでしょう。その際、「ゆったり為替から情報を得た」と答えていただけますと幸いです。「鹿子木さんのサイトから」と回答しても、(株)ダルマに理解してもらえないためです。

07.投資用アンティークコインの保有期間