強制決済(ロスカット)とは、株の信用取引やFX 取引など、証券会社やFX 取引会社に証拠金を預けて元本以上の取引をおこなっている場合、特定の条件・ルールの下で証券会社や取引会社などが投資家の資金を守るため、自己の判断により強制的に反対売買を行うことです。
保有しているポジションの売買方向とは逆に相場が動いた場合、損失が発生します。
その損失が大きくなってくると証拠金維持率(しょうこきんいじりつ)が低下します。
証拠金維持率とは、ポジションを建てるのに必要な証拠金に対しての純資産(実質証拠金)の割合をパーセントで表したものです。
(実質証拠金÷必要証拠金)×100 = 証拠金維持率 %
純資産(実質証拠金)が20 万円、
ポジションを建てるのに使用している証拠金(必要証拠金)が5 万円の場合、
(20 万円÷5 万円)×100=400%(証拠金維持率)
になります。
ほとんどの取引会社では、証拠金維持率が100%以下になると、強制決済(ロスカット)という仕組みになっています。
取引業者が定めるある一定以下の水準になると証拠金維持率を高めるために一部のポジションを決済するか、所定の期日までに追加証拠金(ついかしょうこきん)を入金するかを選択することになります。
追加証拠金とは、保有しているポジションの評価損などにより、証拠金維持率がある一定水準を下回った場合に、追加で入金する証拠金です。
追加証拠金は、略され、追証(おいしょう)と呼ばれる場合もあります。
追加証拠金が発生した場合、決められた期日までに、証拠金維持率をある一定以上の水準まで回復するための金額を入金する必要があります。
所定の期日までに証拠金維持率がある一定以上の水準になっていない場合、反対売買により強制的に決済されます。
強制決済に発生した手数料や売買損失はすべて投資家の負担となります。