18.証拠金の種類

FX取引を行う場合、いろいろな種類の証拠金があり、取引会社によって証拠金の呼び方が違う場合があります。

多く使用されている証拠金名を取り上げて説明をしたいと思います。

会社によっては、証拠金ではなく、保証金という名称を使用している場合もありますが、同じです。

FX取引をする上で、証拠金名や証拠金の役割は重要なものになります。

必ず、覚えるようにしてください。

 

「初回預入れ証拠金」(しょかいあずけいれしょうこきん)

新規で口座開設する際に最低限預入れなければならない証拠金額です。

入金金額がこれに満たない場合は、口座開設することができません。

口座開設後は、出金したり、取引によって損失が発生し、最初に預けなければならない金額を下回っても大丈夫です。

ただし、取引会社によっては、口座を維持するのに最低限預けておかなければならない金額を設定している会社もありますので、注意が必要です。

最低限預けておかなければならない金額を下回ってしまうと、口座管理料金(こうざかんりりょうきん)が発生したり、
残金が出金されて口座解約となってしまう場合があります。

口座管理料金(こうざかんりりょうきん)とは、取引業者に開設した口座に対して徴収される口座維持・管理のための手数料のことです。

 

「実質証拠金」(じっしつしょうこきん)

現在の証拠金残高になります。

ポジションを保有している場合、値洗い上の損益も含まれているので、
保有しているポジションをすべて決済した場合、どのくらいの証拠金が残るかが表示されます。

 

「受入証拠金」(うけいれしょうこきん)

取引業者に預けている証拠金の金額です。

この証拠金は保有しているポジションで発生している値洗い上の損益は含まれていません。

100万円入金して未決済の保有ポジションが10万円の利益が出ている場合

受入証拠金 100万円
実質証拠金 110万円
と表示されます。

100万円入金して未決済の保有ポジションが-10万円の損失が出ている場合

受入証拠金 100万円
実質証拠金  90万円
と表示されます。

ポジションを決済して損益を確定したり、入出金したりすると、「受入証拠金」が変動します。

受入証拠金を実際の証拠金残高と勘違いされる場合が多いので、注意してください。

 

「必要証拠金」(ひつようしょうこきん)

ポジションを建てるのに必要な証拠金です。

取引口座に最低限でも必要証拠金以上の金額がないと、ポジションを建てることができません。

ポジションを保有する限り、この証拠金は拘束され、他の証拠金として使用することができません。

この証拠金の計算方法は
取引レート×取引単位×4%(レバレッジ25倍)で計算されます。

計算例

<条件>
ドル円のレート 120円
取引単位 1万通貨

120円×1万通貨×4%=48,000円

1ドルが120円のときに、1万通貨の取引をするのに必要な証拠金は、
48,000円になります。

取引口座の証拠金額がこの証拠金以下になると、すべてのポジションが強制決済(ロスカット)になります。

 

「使用可能証拠金」(しようかのうしょうこきん)

現在、使用できる証拠金になります。

この証拠金は、
ポジションを維持するための余力
新たにポジションを建てられる証拠金
として使用されます。

取引口座からの出金はこの使用可能証拠金内であれば出金ができます。

ポジションを保有している場合、使用可能証拠金が0以下になると、すべてのポジションが強制決済(ロスカット)になりますので、
出金する場合は注意が必要です。

 

「証拠金維持率」(しょうこきんいじりつ)

証拠金維持率(しょうこきんいじりつ)とは、ポジションを建てるのに必要な証拠金に対して実質証拠金の割合のことです。

証拠金維持率の計算方法

(実質証拠金÷必要証拠金)×100=証拠金維持率(%)


実質証拠金が100万円
必要証拠金が5万円
の場合

(100万円÷5万円)×100=2,000%
になります。


実質証拠金が50万円
必要証拠金が5万円
の場合

(50万円÷5万円)×100=1,000%
になります。


実質証拠金が20万円
必要証拠金が5万円
の場合

(20万円÷5万円)×100=400%
になります。

実質証拠金額が、必要証拠金額に近づくにつれて、証拠金維持率が低くなっていきます。

証拠金維持率が100%以下になると、すべてのポジションが強制決済(ロスカット)になり、損益が確定します。

たくさんのポジションを保有したり、ぎりぎりの資金でポジションを保有したりなど、無理な取引はせず、余裕を持った取引をするように心がけましょう。