自国通貨の為替レートが乱高下、早いスピードで一方向へ動いているときに、
これ以上の通貨高(安)は国にとってよくないと当局が判断した時、
為替レートの乱高下を抑えたり、変動のスピードを緩めたりすることを目的として、国の中央銀行を通して自国通貨売り(買い)他国通貨買い(売り)をすることです。実際に自国通貨売り(買い)しているので、実弾介入とも言います。
自国通貨を売り、他国通貨を買った場合、国庫短期証券(こっこたんきしょうけん)を発行して調達した円資金を対価にドルを買い入れます。そのほとんどがその国の国債を保有することになります。
国庫短期証券とは、外国為替市場での為替介入の資金など特定の目的の資金調達時に必要な短期資金を柔軟に調達できるように発行される短期国債のことをいいます。
償還期間は2カ月・3カ月・6カ月・1年の4種類あります。
反対に、自国通貨を買い、他国通貨を売った場合、
財務大臣が管理する政府の外国為替資金特別会計(がいこくかわせしきんとくべつかいけい)の保有するドルを取り崩して、円を対価に売却するので、ドル売り、円買いが必要になるので、インターバンク市場で大量のドル売り・円買いが入り、為替相場に影響が出るということになります。
外国為替資金特別会計とは、外国為替等の売買のために運用する外国為替資金を会計するために設置されたものです。
役割は、外国為替相場の安定を図るものであり、為替相場が急激に変動した場合、
またはその恐れがある場合に為替介入を行うために設置されています。
世界の国々では、主要となる産業が異なり、輸出が多いのか、輸入が多いのかの違いがあります。
一般的に、
輸出が多い国は
通貨安になると自国に入ってくる通貨が増えるので景気がよくなる。
通貨高になると自国に入ってくる通貨が少なくなるので景気がわるくなる。
輸入が多い国は
通貨安になると自国から出ていく通貨が増えるので景気がわるくなる。
通貨高になると自国から出ていく通貨が少なくなるので景気がよくなる。
と言われています。
ただし、輸出が多い国だからと言っても過度な通貨安は、よくありません。
インフレーション(インフレ)になる可能性があるからです。
インフレーション(インフレ)とは、物価が上昇し、通貨の価値が下がることをいいます。
つまり、通貨を多く出さないと物が買えないということです。
たとえば、原料の値段が高騰したことは抜きに考えると、
缶コーヒーが130円で買えていたものが、200円出さないと買えなくなることです。
同じように、輸入が多い国だからと言っても過度な通貨高は、よくありません。
デフレーション(デフレ)になる可能性があるからです。
デフレーション(デフレ)とは、物価が下落し、通貨の価値が上がることをいいます。つまり、少ない通貨で物が買えるということです。
たとえば、原料の値段が下落したことは抜きに考えると、
缶コーヒーを130円で買っていたものが、70円出せば買えるということです。
通貨価値のバランスが大事なので、日々、為替相場が変動しているのです。
為替介入が行われた際、目に見えて為替相場が動いたのがわかります。
ドル/円の場合、一瞬のうちに、1円くらい変動します。
ただ、為替介入は単発では意味がなく、直ぐに元の相場に戻るケースが多いです。
継続的に為替介入をすることにより、効果が表れ始め、今まで、通貨高(安)が一旦止まり、通貨高(安)だったものが、通貨安(高)になる傾向があります。
また、ほかの国と協力し合い、為替介入することを協調介入といい、介入した金額の規模も大きいですが、インパクトもかなり大きく効果が出やすいです。
日本では、行き過ぎた円高を阻止するため、財務省が日本銀行を通して
日本円売り、ドル買いの為替介入を行ったことがあります。