では、実際の売買に移りましょう。
投資としてアンティークコインを考える場合、「どこで買って、どこで売るか?」が最重要かもしれません。
どのコイン業者で買うか
どのコイン業者で買うかというのは、極めて重要です。
なぜなら、古物商許可さえ取得すれば誰でもコイン業者になれますし、古物商許可の取得は極めて簡単なため、業者の質は玉石混交だからです。しかも、どの業者も「当社は安全・安心!」と宣伝していますから、差が分かりません。
そして、業者選択ではこれをチェックすればOK!という指標がありません。
著者の場合、ある種のコインの販売価格を見れば、おおよそ予想がつきます(この業者は相場よりも高すぎるから避けよう…という具合です)。
しかし、これからコインの世界に入ろうという場合、相場観など持ちようがありません。
そこで、偽物を掴まされず、無茶苦茶な高値で買わされないための客観指標を(半ば強引に設定して)ご案内します。
コイン業者の選び方
• オークションを開催している(ヤフオク等を除く) • 業界の組合(日本貨幣商協同組合またはIAPN)に加盟している
コインオークションを開催するには、自社でコインを鑑定できる能力を有しつつ、資金力に優れ、数多くの出品と入札を集める信頼度が必要不可欠です。
すなわち、コインオークションを開催している会社は、信頼度が極めて高いと考えることが可能です。
また、アンティークコインの世界には業界団体があります。ここに加盟しているということも、業者選択の基準になり得るでしょう。
ただし、この2基準のいずれにも該当しない業者は全てダメだというわけではありません。以上は、誰にでも分かる客観指標を提示しているという意味合いにすぎません。
どの価格で買うか
自分が信頼できるコイン業者を見つけることに成功し、実際に買うとしましょう。では、その業者からならどのコインを買ってもOKでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
自分はコレクターだという場合は、価格もさることながら、そのコインが欲しいかどうかが重要な項目になります。
特定のアンティークコインはいつでも買えるというわけではありませんから、何年もかけて探してきてようやく見つけた!という場合、少々高くても買う価値があるでしょう。
そうではなく、投資として買う場合は、価格チェックが重要になります。チェック方法はいくつかありますが、下に例をご案内しましょう。
価格チェック方法
• カタログ掲載価格と比較 • 過去のオークションでの落札価格と比較 • コイン業者と意見交換して情報収集
これらで得た情報と比較して、買っても良いと思えば買います。なお、相場観がつかめてきたら、オークションで入札して買っても良いでしょう。
また、売却時はスラブ入りコインの方が高値で売れやすいです。よって、スラブ入りを買うか、あるいは裸コインを買ってスラブに入れます。
どうやって売るか
そして、最終段階の売却です。売り方は、主に下の通りです。
売却方法
• コイン業者に買ってもらう • オークションに出品 • 個人間売買サイトに出品
自分の指定価格で売りたい場合は、個人間売買サイトが候補になります。思わぬ高値で売れるかも?というビッグチャンスが眠っているのは、オークション出品です。
コイン業者での売却は「そこそこ」の価格になりますが、いつでもすぐに売れるのがメリットです。これを表にまとめますと、以下の通りです。
方法 |
業者 | オークション |
売買サイト |
換金の確実さ |
◎ | ○ |
△ |
指定価格で売却 |
△ | △ |
◎ |
思わぬ高値 | △ | ◎ |
△ |