33.チャートパターン

チャートを見ていると、一定の規則性がある場所があります。

その規則のことをチャートパターン(チャートフォーメーション)と呼んでおり、この形を覚えることで有利にトレードを行うことができます。

簡単なチャートの形を覚えるだけなので、非常にポピュラーなチャート分析法です。

 


 

二番天井(にばんてんじょう)ダブルトップ

相場は、一回天井をつけた後で急落し、再び天井をつけにいくことが多いです。

相場の一回目の天井近辺は、多くの人がまだ上昇すると判断しているポイントであり、一回目の天井から急落後も、再上昇を予測している人が多いです。

しかし、前回高値と同じ価格(一回目の天井の価格)では、前回高値を上抜けるかに皆が注目し、買いの利益確定をしたり新規売りを仕掛けたりする人が多いです。

前回高値を上抜けずに下落した場合は、天井確定となり、二番天井をつけたと表現します。

 

二番底(にばんぞこ)ダブルボトム

相場の底近辺は、多くの人がまだ下落すると判断しているポイントであり、一回目に反発上昇しても再下落を予測している人が多いです。

しかし、前回安値と同じ価格(最初の底の価格)では、前回安値を下抜けるかに皆が注目し、売りの利益確定をしたり新規買いを仕掛けたりする人が多いです。

下抜けできずに上昇すると、そこで底確定となり、二番底をつけたと表現します。

これは、下落相場が反転する時、最初の底が本当の底かを試しにいって、再度反発したら、それは本物の底として判断されたという意味です。

ただし、二番底を打ったと思ったら、再度下落してまた同じ価格まで落ち、三番底をトライした時は、底割れして下落する可能性が高いです。

なぜなら、二番底が否定され、まだ底ではないと判断されるからなのでしょう。

特に、為替相場では、三回目の底値をトライしてきた場合、三回目に下抜けすることが多いです。

株の場合には、必ず二番底を確認してから買えという教えがあります。

それは、不安定な上昇になる可能性が高いからです。

一方、為替相場の場合は、一回の底で反転上昇することも多いです。

このような各相場の特徴を知っておくことは大切です。

 

三角保ち合い(さんかくもちあい)トライアングル

チャートパターンで最も有名なのが三角保ち合いです。

チャートの値幅の範囲が徐々に狭まっていく状態のことをいいます。

レジスタンス(上値抵抗線)とサポート(下値支持線)を引いた形が三角形のように見えることから、三角保ち合いと呼ばれています。

三角保ち合いが形成された後は、価格が上昇に向かう(上放れる)、あるいは下落に向かう(下放れる)可能性があります。

保ち合いを離れる場合はかなりのエネルギーが溜まっているので、大きく動くことが多いことから、相場格言では「保ち合い放れにつけ」という言葉があります。

この形が形成されたら、利益を狙えるチャンスとなるでしょう。

三角保ち合いを形成し上方向に放れたチャート

 

三角保ち合いを形成し下方向に放れたチャート

 

酒田五法(さかたごほう)

酒田五法 (さかたごほう)は、享保九年(1725年)日本屈指の穀倉地帯・出羽(現在の山形県酒田市周辺)にて生まれた江戸時代の米相場で活躍した相場師の本間宗久(ほんまそうきゅう)によって考案されたローソク足の並びを基本としたテクニカル分析のひとつです。

ローソク足の組み合わせによって売り場、買い場を読む5つのパターン法則を編み出しました。

本間宗久が書き残したものは現存しておらず、解釈は様々です。

酒田五法には、三山(さんざん)、三川(さんせん)、三空(さんくう)、三兵(さんぺい)、三法(さんぽう)の5つがあります。

ここでは、5 つの基本パターンを説明します。

 

三山(さんざん)

「三山とは、大天井の大型を表す線。底値より波乱を繰り返しながら上進して下押す、この運動を三度繰り返して大天井を打つものならば・・・」とあります。

つまり、上値を3回試したが、上昇することが出来ず、上昇トレンド相場の終焉を意味します。

3度の天井を確認したら、売りとされています。

英語ではトリプルトップと呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三尊(さんぞん)

三山に似た形で真ん中の山(2番目)が高いものを三尊と呼び、天井のサインで下落に転じる可能性が高いとされています。

英語ではチャートの形状が人の頭を中心として左右に肩が並んでいるように見えることから、ネックラインを下回ると売りとされています。

ヘッド・アンド・ショルダーと呼ばれています。

 

三川(さんせん)

「三川は三山の反対にして、底値にて突っ込みては戻すという運動を繰り返すをいう。
大底の意にして大体数ヶ月下落して起こる現象なり」とあります。

つまり、下値を3回試したが、下降することが出来ず、下降トレンド相場の終焉を意味します。

3度の底を確認したら、買いとされています。

英語ではトリプルボトムと呼ばれています。

 

逆三尊(ぎゃくさんぞん)

三川に似た形で真ん中の谷(2番目)が低いものを逆三尊と呼び、底のサインで上昇に転じる可能性が高いとされています。

ネックラインを上回ると買いとされています。

英語ではヘッド・アンド・ショルダー・ボトムと呼ばれています。

 

三空(さんくう)

「三空とは相場相当上進、益々人気旺盛にして遂に空間を生じて上放れ三回連続するを云う。
この場合、三度目の放れ線に被せ線が次に出現か、又は寄せ線が出ずれば大天井なり。而して三空に複線と単線あり」とあります。

一般的に「窓」、「ギャップ」といわれているもので、空(窓)が3つも続けて出るのは行き過ぎであり、上げ相場も、下げ相場も終わりに近づいていると考えられます。

 

三兵(さんぺい)

「三兵とは上進開始の表徴にて、永く保ち合いたる市況が小短線にて陽線三本を連続して幾分ずつ上位に進み表示するものにて大上げの前兆としるべし」とあります。

三兵は陽線または陰線が3本平行して同一方向に向かっている場合を指します。

赤三兵は、空を出さないものの終値が確実に切り上がっている形で、週足でこれが出ると、相当長期の上昇トレンドに入る可能性があります。

黒三兵(三羽烏)はその逆です。

赤三兵でも上ヒゲが出ている(赤三兵先詰まり)場合は上昇が鈍っている証拠であり、売りと考えられています。

陽線(陰線)の3連続は相場の波動的な位置を良く見て判断する必要があります。

 

※黒三兵(三羽烏)は最初の陰線が安寄りとなることが条件
安寄りとは、前日の終値よりも安い価格で始まることです。

 

 

三法(さんぽう)

酒田五法の中で三法の解釈は曖昧とされています。

基本的に酒田五法の中で三法の解釈は曖昧です。

テクニカル的な方法で買い・売りを判断する場合と、「買うべし、売るべし、休むべし。」という3つの行動のことを三法と解釈されています。

 

上げ三法・下げ三法(あげさんぽう・さげさんぽう)

上げ三法は大きな陽線のあと、中間のはらみ線(大きい陰陽線に小さい陰陽線がすっぽりおさまっている型 )をもって、先の大きな陽線を下回れず、その後に大きな陽線で先の大きな陽線を超えて切り替えすことをいいます。

下げ三法はその逆となります。

 

上放れ三法・下放れ三法(うわばなれさんぽう・したばなれさんぽう)

上放れ三法、下放れ三法は方向感が出たと感じたときに、それを打ち消すような陽線・陰線が出てしまい、方向感が判らない、ということで「判らないときは休みなさい」、ということです。