06.主な通貨の特徴

USD

アメリカのドル(USD)は、世界の基軸通貨です。

世界3大通貨(米ドル・ユーロ・円)のひとつです。

国際的な貿易や取引などの多くは米ドルで決済されるので、取引される量も最大です。

為替もドルが基準になっているので、
ドルが含まれる取引通貨ペアのことをドルストレートと呼びます。

ドルが含まれない通貨ペアのことを「○○クロス」「クロス○○」(○○はドル以外の通貨は入ります)と呼びます。

 

世界の経済の中心がアメリカなので、当然ニュースなどから得られる情報が他の通貨ペアと比べると断然多く、取引をする時の判断材料が多い通貨です。

昔から「有事のドル買い」とされています。

サブプライム問題等で、一時は「有事のドル離れ、日本円買い」により、
ドル安となり、世界的な金融不安となりましたが、
最近では、「有事のドル買い」に戻ったようです。

それだけ、ドルの影響力が強いということです。

主な変動要因

・政策金利
アメリカの政策金利は、FRB(米国中央銀行)によって年8回開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)で決定されます。
一般的に利上げになるとドル買いが進み、利下げになるとドル売りが進むといわれています。

・景気動向
アメリカ内の景気が良ければ、ドルは変われます。アメリカの景気は、GDPや貿易収支、雇用統計などの経済指標を見ることで判断できます。

 


EUR

ユーロは1992年の欧州連合条約(マーストリヒト条約)内でユーロの導入が定められ、約10年の歳月を掛けて2002年に正式に導入されました。欧州連合25カ国中19カ国が公式に採用している単一通貨です。

基本通貨単位はユーロであり、そのほかに補助通貨単位としてセントがあります。

1ユーロは100ユーロ・セントに相当。

公式にユーロに参加しているのは、オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン、スロベニア、キプロス、マルタ、スロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニアの19カ国でユーロ圏と称されます。

イギリス、スウェーデン、デンマークは現在もユーロを使用せず、自国の通貨である英ポンド、スウェーデンクローナ、デンマーククローナを用いており、この3カ国はユーロ圏外です。

ユーロは米ドルにつぐ第二の基軸通貨といわれています。

FXにおいてもユーロの取引高はドルに続いて多いです。

円安や円高の動きがはっきりと現れやすいので、売買しやすい為替相場といえます。

ただ、政治的な統一がまだなされていないこともあり、政治的なリスクが為替レートに影響を与える可能性もあります。

またユーロは、欧州中央銀行と、各国の中央銀行から構成される欧州中央銀行制度によって管理されています。

まだ歴史の浅い欧州中央銀行は、金融政策における実力が未知数で、どんな判断基準でどんな決定を下すかなど、予想しづらい現状があります。